⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
「そこまでは解った。よーく解ったともさ。
で、何故俺ん家なんだ?
どうしてここを知った?
そもそも俺は、君なんかゼンゼン知らない…」


「やだ、パパったら。
尋問みたい♥
カノンとよんで、“あの日”みたいに…」

「何がカノンだ、松子だろーが。
マツコ!」

トーコが俺をジトッと見ている。
それをそのままマツコに流すと、彼女は床に “の” の字を書きながら、上目遣いにこちらを見た。

「……後、つけたのよ。
 会社だとあのボウヤに追い返されちゃうし?」

堂林のことか。
あいつ、一応仕事はしていたようだな。

彼女は更に続けた。

「……行くとこなくて路頭に迷ってた時ね。
ふと思い出したのよ。

大神さんが例の “コト” の後に言ってくれたのを。
『ガッハッハ、困ったコトがあったらいつでも俺に任せとけ』
って。
嬉しかった…」

「ホー…」

無機質に相槌を打つ燈子に、
俺はちぎれんばかりに首を横に振った。

言ってねぇ!

つか、覚えてねえ。
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