⑦オオカミさんと。溺れる愛の行く先に【番外編も完結】
俺がいない昼の間、どうなってるのかしらないが、フユキは妙に彼女になついている。
もともとアイツは赤ん坊の頃から女なら誰にでも愛想がいい。
もし女の誘拐犯がいたらきっとアッサリ連れ去られるだろう。
お父さんは心配だ。
このままいくと、女好きのロクでなしに育つんじゃなかろうか……
まあ、今回ばかりは助かってるが。
寝室では、トーコが先に待っていた。
近頃は俺を見るといつも、ムッと眉をしかめている。
そりゃあ、
いくら彼女が海のように心が広くても、今回の状況を気持ちよく受け入れるワケもあるまい。
俺が気まずくフトンに入ると、横にずれてはくれるものの、決まってクルッと背を向ける。
明かりを消した寝室で……
俺はつい不安になって、後ろからその背を抱き締める。
「…苦しいよ」
しかし彼女は拒絶しない。
前に回した俺の拳を小さな掌でキュッと包む。
まったく。
俺はどうかしている。
こんな不機嫌な彼女が、たまらなく欲しくなるだなんて。
この夜。
俺は彼女を力ずくで振り向かせると、夢中で口付けた。
「…んっ……ダメ…だよ。
お客さん…いるの…に」
口では拒否りながらも、彼女は殆んど抵抗なく、俺を受け入れた。
いや、むしろその所作はいつもより積極的か。
自分から舌を絡めとり、より深い接合を求めているようだった。
まるで俺の欲情を煽り立てようとしてるみたいに。
こんな彼女は初めてだ。
理由はだいたい分かってる。
2人で作り上げた世界が壊れてしまう__
俺と同じ不安を、君も感じているからだ。
もともとアイツは赤ん坊の頃から女なら誰にでも愛想がいい。
もし女の誘拐犯がいたらきっとアッサリ連れ去られるだろう。
お父さんは心配だ。
このままいくと、女好きのロクでなしに育つんじゃなかろうか……
まあ、今回ばかりは助かってるが。
寝室では、トーコが先に待っていた。
近頃は俺を見るといつも、ムッと眉をしかめている。
そりゃあ、
いくら彼女が海のように心が広くても、今回の状況を気持ちよく受け入れるワケもあるまい。
俺が気まずくフトンに入ると、横にずれてはくれるものの、決まってクルッと背を向ける。
明かりを消した寝室で……
俺はつい不安になって、後ろからその背を抱き締める。
「…苦しいよ」
しかし彼女は拒絶しない。
前に回した俺の拳を小さな掌でキュッと包む。
まったく。
俺はどうかしている。
こんな不機嫌な彼女が、たまらなく欲しくなるだなんて。
この夜。
俺は彼女を力ずくで振り向かせると、夢中で口付けた。
「…んっ……ダメ…だよ。
お客さん…いるの…に」
口では拒否りながらも、彼女は殆んど抵抗なく、俺を受け入れた。
いや、むしろその所作はいつもより積極的か。
自分から舌を絡めとり、より深い接合を求めているようだった。
まるで俺の欲情を煽り立てようとしてるみたいに。
こんな彼女は初めてだ。
理由はだいたい分かってる。
2人で作り上げた世界が壊れてしまう__
俺と同じ不安を、君も感じているからだ。