懺悔
【隼さん。この状況はいかがですか?心地がいいでしょう?】
「そんなわけねぇだろ!!」
【あら、残念。私は心地いいですよ。何とも言えない喜びの中、あなた方を見ています。】
スピーカーから聞こえる声は機械で変えられているのか、笑いを浮かべた声色は異様に不気味だった。
その声からは、男なのか女なのか、若いのか年配なのかもわからなかった。
【さて、本題に入りましょ。】
「その前に聞かせろ。これって2年前の事でか?」
【………。へぇ、覚えていたんですね。】
「あぁ。それと、秋生の耳はどうした?」
【聞かれたくないので潰させてもらいましたよ。】
「じゃ、俺の目は?」
【それも、同じ理由です。】
「俺は死ぬのか?」
少しの沈黙が流れた。
【では、ゲームを開始します。】
「おい!!どっちなんだよ!」
スピーカーの声は隼の問い掛けを無視し話進めた。
【先程、秋生さんが説明された様に隼さんの足元は、大変不安定な作りになってます。】
【鉄の棒は直径5センチの長さ15センチの円柱です。全部で縦横4つの計16個で土台になってます。】
【今から隼さんにはいくつかの質問をさせていただきます。】
【嘘の答えや、間違いの答え、私の納得出来ない答えがあれば鉄柱は真下に落ちます。】
【先程秋生さんに見せる為に落とした鉄柱は元通りにしておきます。】
そう言うとウイーンと機械音し、ガシャンと音がした。
どこかで遠隔操作しているのだと思った。
【今、隼さんの体はロープで吊るされています。その支えのロープを切ります。】
【ですが、一本だけロープがかかってます。あっ先程秋生さんが、おっしゃってましたね。】
【そうです。首にです。】
スピーカーからの声色が嬉しそうに弾んだ。
【隼さんでも、ここまでの説明で御自分の状況やどうなるか、もうわかりましたよね。】
隼は恐怖しか存在しなくなった世界に、既に首を絞められてるように声が出ない。
【隼さ〜ん。はいか、いいえで答えてください。】
「は…い。」
消え入りそうな声で答えた。
【では、質問その1。】
真綿でじわじわ締められてる様な感覚に隼は、足元がふらつきそうになったが、必死で踏ん張った。
ふらついたら、そこでこのゲームは終わってしまう。
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