好きって言ったらどうする?
 そう言って歩き出そうとしたら、右手を竹ちゃんに掴まれた。振り返ったら、竹ちゃんが必死の形相をしている。

「明日。明日仕事が終わったらここに来い」
「なんで?」

 意味がわからず見返す私に、竹ちゃんがふてくされた顔で言う。

「明日だったら信じるんだろ?」
「なにを?」
「俺が本気で言ってるって!」

 竹ちゃんが真っ赤な顔で怒鳴った。

 それって……もしかして……?

 嬉しくなって頬が緩みそうになる。ホントにホントなの?

「じゃあ……あと四時間したら、またキスしてくれる?」

 私が言ったら、竹ちゃんが一度瞬きをした。

「それって明日になるまで一緒に過ごそうってこと?」
「え? あ!」

 そんな意味に取る?と思ったときには、竹ちゃんに手を強く引かれ、彼の腕の中にとらわれていた。

「ちゃちゃっと報告書を仕上げるよ。だから一緒にメシ食いに行って、それから明日の朝まで一緒に過ごそう」
「それ、本気?」
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