神崎家の夢子様
万が一彼女はがかなり危険な理由で転校してきているとしたら、彼女の心を傷つけるかもしれない。
裕一は珍しくそんな事を考えたのだ。
空気を読めない裕一には偉いと褒めるべきところなのである。
しかし気になる。この話が出てないのは多分俺と同じ理由なんだろうな。
「夢子ちゃん、前の学校は?」
「椿桜学園。」
その言葉にみんな度肝を抜かれた。
椿桜学園は隣の県にあり、頭の良い私立の学校で有名な中学だからだ。
そこを蹴ってなぜ普通に公立の東野中学へ?
裕一が聞く前に聞かれてしまった。
「勉強、休もうと思って。」
それはそうだろう。椿桜に入れるくらい頭になるまで勉強に尽くしてきたのだろう。
小学生時代に受験期を迎えるなんて大変に違いない。
この流れでは過去のこの話題は過去の事と東野中学にした理由が両方聞けるかもしれない。
「じゃあなんでココにしちゃったの?」