隣にいたくて

気をつけて帰れよなんて
記憶は無くしても優しいのね…

私はそれ以上なにも言葉を発することが
できぬまま家へと帰った

明日からはまた、独りで登校か…

"ふっ"

ほんと笑えるよね…
自分のせいで記憶喪失になっちゃったのにっ

こんなにも、悲しいなんてね

くっ…うぅっ

祐也…うっ
もう。戻ってきてよっ…うぅっ

その夜は晩御飯も喉を通らず
部屋にこもると独り祐也のことを
考え泣いていた

とてもとても月の綺麗な
満月の夜だったのに…






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