隣にいたくて

保健室の先生のことを赤嶺ってよぶのは
この学校でも一人しかいない

それにこの少し低くて安心できる声…
確信した。彼だと…

シャー

寝ていたベッドのカーテンを開けて
ドアの方に突っ立てる貴方を見つめる

「祐也…」

「あぁ、美祐ちゃん」

いつもだったら美祐!
なんて元気いっぱいにこっちに来るのに
だれにでもする無愛想な返事に頭垂れる

「あの‥赤嶺先生いないよ?会議だって、」

「え、まじかよ…足痛いんだけどな、まぁいいや せんきゅ」

そういう祐也の足は転けたのか
真っ赤に腫れて血が出ていた
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