それを愛と呼ぶのなら
思わずこぼれたのは、自分でもわかるくらい力のない声だった。
2日間も休んでしまった学校だったけど、明日も行けそうにない。こんなんじゃ、行けないよ。
気を赦すことの出来る友達がいるならまた話は別なんだろうけど、生憎私にはそういった存在は誰ひとりとしていない。
暫くして、家の外からエンジン音が聞こえてきた。そしてそれは、近くで止まる。
彼だ、と思った。何の確証もなかったけれど。
力を振り絞って玄関へと駆ける。
インターホンが家中に鳴り響いたのと、私が扉を開いたのはほぼ同時。
雨が降りしきる中、藁にも縋る思いで、靴を履くこともせずにそこに立っていた人物に抱きついた。
広い背中。男の人の匂い。間違いなくここにいる彼を全身で感じて、また涙が溢れる。
「……っ」
強いつもりでいた。ひとりだって大丈夫だって。
でも全然、そんなことなかった。本当はこんなにも弱かったなんて、知らなかったよ。
「葵。……風邪引くぞ」
電話よりも少しだけ低い彼の声は、冷えきった心にじんわりと沁みた。
2日間も休んでしまった学校だったけど、明日も行けそうにない。こんなんじゃ、行けないよ。
気を赦すことの出来る友達がいるならまた話は別なんだろうけど、生憎私にはそういった存在は誰ひとりとしていない。
暫くして、家の外からエンジン音が聞こえてきた。そしてそれは、近くで止まる。
彼だ、と思った。何の確証もなかったけれど。
力を振り絞って玄関へと駆ける。
インターホンが家中に鳴り響いたのと、私が扉を開いたのはほぼ同時。
雨が降りしきる中、藁にも縋る思いで、靴を履くこともせずにそこに立っていた人物に抱きついた。
広い背中。男の人の匂い。間違いなくここにいる彼を全身で感じて、また涙が溢れる。
「……っ」
強いつもりでいた。ひとりだって大丈夫だって。
でも全然、そんなことなかった。本当はこんなにも弱かったなんて、知らなかったよ。
「葵。……風邪引くぞ」
電話よりも少しだけ低い彼の声は、冷えきった心にじんわりと沁みた。