それを愛と呼ぶのなら
なのに、それすらも偽りだったというの……?

18年以上も前から……私達ふたりが生まれるずっと前から、あの人達は繋がってたんだ……。


「ずっと気になってたんだ。……本当の父親を知らないその子は、どんな毎日を送ってるんだろうって」

「……っ」

「気がつけば、会ったこともないその子のことばっか考えてたんだよ」


止まらない涙のせいで、顔がぐちゃぐちゃだ。

知らなかった。

出会うよりもずっと前から、私のことを想ってくれてたなんて……。


「あの夜、電話に出たのは忠告のつもりだった。家族を犠牲にしてまで馬鹿なことするなって。……でも」

「電話の相手は私だった……」

「……そうだ。想定外だった。まさか……俺の口から残酷な現実を突きつけることになるなんて」
< 147 / 165 >

この作品をシェア

pagetop