それを愛と呼ぶのなら

2日目の安堵

目が醒めてすぐそこに真尋の顔があって、あぁこれは現実なんだ、と改めて思う。

7月7日。2日目の朝がやってきた。


「……」


隣で寝息を立てる真尋が起きる気配は今のところなく、私は息を殺す。

この状況、真尋のことが好きな女の子に知られたらどうなるんだろうなぁ……。


「……あ」


眠る真尋の手が、しっかりと私の服を掴んでいて、動けない。

届かないと知りながらも、離して、と小声で呟いてみる。


「……もう」


硬い手のひらが緩むことはなく、身動きの取れない状況は変わらない。

仕方なく布団に潜り直し、寝転びやすいように真尋の方へと体を向けた。


「朝ご飯なくても、怒らないでよね」

「……」


本当に時間が流れているのかと疑ってしまうほどに静かで、穏やかな朝。

壁にかかる時計は8時前を指していて、カーテンの隙間からは太陽の光が差し込んでいる。


真尋に向けていた視線をずらすと、床に置いた鞄からケータイが姿を覗かせていた。
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