それを愛と呼ぶのなら
珍しく恥ずかしそうにした真尋は、腕で顔を隠しつつそっぽを向く。


「んー……キレーな顔してるなーって思っただけ」

「……んだよ、それ」

「整いすぎてむかつく」


普段なら言わないようなことを口にする私に、真尋は呆れ気味。


「お前、疲れてる。もう寝ろよ」

「……やだ」

「どこのガキだよ。いいから寝ろ」


真尋に左手を掴まれ、そのままベッドに引きずり込まれる。

なんの躊躇いもなく触れてんじゃん……。


「……真尋も寝るの?」

「寝ないとお前がうるさそうだからな」

「……ふん」


電気を消して、真尋は私に背を向ける。

広くて逞しい背中。触れたら、消えちゃいそう。


「……っ」


じわりと涙が瞳に膜を張る。


なんでこんなにも愛しいの。

なんでこんなにも苦しいの。
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