紳士的な狼の求愛
「以上です。長時間にわたり、お疲れ様でした!」
原田君が元気に締めたのち、真面目な顔で私に頭を下げた。
「青山バイヤー、長い間ありがとうございました! 今のボクがあるのも、青山バイヤーに鍛えていただいたおかげです!」
原田君、うるうるしながらそういうこと言わないで。
「原田君もよく頑張ったよ。だいぶ頼もしくなった。今後ともよろしくね」
「ハイ! お任せください!」
ロビーまでお見送りしようとするけど、原田君と渚ちゃんは今後の打ち合わせをしてる。
原田君が有馬くんに、「ロビーで待っていてください」と言うと、有馬くんが歩き出した。
……私をちらり、と見やって。