僕が君の愛
肇の真意の読めない答えに、加織はただ首をかしげる。
加織の疑問を分かっていながらも。あえて、肇は答えを口にはしない。ただ、乱雑に。自身のシャツのボタンを外し、脱ぎ捨て、素肌を表せた。
自身ではコントロール出来ない快楽によって、どこが境界線なのか分からなくなる自分の身体。加織は、それを確かめるために、自身の指に歯を立てた。
加織の頬を包み込み、眸を覗き込みながら肇は問う。
「僕を受け入れてくれるかい?」
溢れる思いを抑えながら、加織は大きく頷いた。想像できないほどの衝撃と快楽。そして感動が加織を襲った。眸から、抑えられない思いが姿を変え、加織の頬を伝う。
加織の額に、肇はキスをひとつ落とす。加織の頬を伝うそれを、肇は親指で拭った。
「これから僕は、僕の全ての愛を君に注ぐよ、加織。僕の愛は、加織なのだと。君自身が僕の愛だと言えるほどに。だから、加織。僕を君の愛にしてほしい」
「貴方が私の愛……なのね」
返事の変わりに。肇は加織の唇に自身のそれを寄せる。
加織にも一際大きな波が襲い掛かる。同時に小さく震える肇。
ふたりは、互いを抱きしめた。つよく、つよく。