Tender Liar
「ユズ、大丈夫か?何や、ぼーっとしてるけど」
「あ・・・うん、大丈夫。ごめん」
「そうか?そんなら、まあエエけど。もうすぐ着くで」
私は彼の言葉に頷き、シートベルトを締める。
それから間もなく飛行機は着陸し、私と融は二年ぶりに日本に帰ってきた。
私は「ただいま」と大声で叫びたいのを我慢して、融を見上げる。
彼もやはり日本が懐かしいのか、心なしか嬉しそうに見えた。
――融っ。