先生、聞いてください。
しかし、当然ながら、
入学当初から悪目立ちしている莉乃に
声をかける者は誰1人いなかった。
声はかけられず、視線だけ向けられるその状況に、莉乃は慣れていた。
(結局どこに行っても同じか...)
そうこうするうちに担任が入ってくる。
「みんな、席について〜!
今日からこのクラスの担任になりました、倉本 優子です。今から皆さんに簡単に自己紹介をしてもらおうと思います。それでは、出席番号1番の人から、お願いします。」
出た...自己紹介...。
莉乃は憂鬱な気持ちだった。