先生、聞いてください。
周りは簡単に自己紹介を進め、
時折笑いが起きながらも、
スムーズに順番が回る。
「えっと〜、次は....あっ、栗原さんね。じゃあ、お願いします。」
「栗原 莉乃です。よろしく。」
周りとは違って、単調すぎる自己紹介。むしろ自己紹介、というよりどこかの企業の名刺交換のように簡単だった。
「えっと...栗原さん、もう少し趣味とか話していいのよ?」
しんとした教室に、担任の声が通る。
「...別にいいです。趣味なんてないので。」
莉乃は再び単調に答えた。