先生、聞いてください。
「この学校は一応、校訓として「自由」がある通り、他校のようにあまり厳しい校則はありません。ただ、各自が自覚を持って、高校生に相応しい行動をとってもらえれば、と思います。あまり奇抜な格好をしていると、生徒指導部からの指導が入ることもあるから.......」
そのタイミングで、
ちらっと担任が自分を見たのを
莉乃は敏感に感じ取った。
(ほらね、やっぱり本当の自由なんてない.....)
莉乃はすでにこの高校に対して
期待を失っていた。
「..........やっぱりつまんない...」
ほんの小さな声でそう発すると、
それからは無言で、ただホームルームが終わることだけを待っていた。