花京院家の愛玩人形

ユイが赤くなって俯くと、不意に要は足を止めた。

なるほど、そーか。
見え隠れする好意よりも、どストレートがお好みか。

てか免疫なさすぎて、どストレートじゃなきゃ伝わンないのか。

恋の狩人、ふっっっっっかぁぁぁつ!

コイツは獲物であり、近い未来の勲章なンだからネっ!?
『ドキっ』なんて、気のせいなンだからネっ!?


「それでね?制服着崩しちゃって、タイももっと緩めて…
そーゆーの、似合うと思うの。
花京院くんて、実はスゴぉくカッコいいもん。
隠してちゃもったいないよォ」


アヒル口に人差し指を軽く押し当てて。
小首を傾げて。


「今ソレを知ってるのはァ、私だけだケド☆」


立ち止まる要に、ユイは渾身の高速瞬きをお見舞いした。

今度こそ、どう?コレ。

わかりやすいヨイショに、『私は特別』的甘さを織り交ぜてみました!

ついでに『花京院 要今時リア充化計画』の一端もブっこんでみました!

これで完全に、二人が恋に落ちる流れに…


「あー…
メンドクサイ」


「え?
前髪切るのが?」


「えー…
なんか、全部。
てか近い」


嘘ぉぉぉぉぉん!?
またもブった切りィィィィィ!?

< 121 / 210 >

この作品をシェア

pagetop