花京院家の愛玩人形

今度こそ、どう?コレ。

危険な香りの中に、『君は特別』的甘さを織り交ぜてみました!

これで完全に、二人が恋に落ちる流れに…


「まぁ、光の君のような方」


だーから…
難しーコト言うのヤメテって。


「ヒカルノキミ???
ゲンジ物語?だっけ?」


「えぇ。
多くの女性を愛し、多くの女性に愛されたが故に業を負い、結局自身も含めて誰一人幸せにできなかった哀れな殿方ですわ」


あれれれれぇぇぇぇぇ!?
またもブった切りってか、控えめェェに、遠回しィィに、説教食らったぁぁぁぁぁ!?

なぜだ?

なぜナニも始まらない?

花京院 要がそんなにイイのか?

いやいや。
誰だって、あんな非リアよりもイケメンキラキラ男子にクラっとくるだろ。

単純に、軽くて危険な男攻めは失敗だったか?

いやいや。
だって彼女、笑って…

笑って…?

さっきよりも明確な苦笑を唇に浮かべた紫信が、伸ばされたコージの手を巧みに避けてフイと立ち上がる。


「あなた様が光の君の如き因果に堕ちることのないよう、陰ながら祈っておりますわ」


「え…
ちょ…待っ」


「では、ごきげんよう、コージ様」

< 126 / 210 >

この作品をシェア

pagetop