花京院家の愛玩人形
今度こそ、どう?コレ。
危険な香りの中に、『君は特別』的甘さを織り交ぜてみました!
これで完全に、二人が恋に落ちる流れに…
「まぁ、光の君のような方」
だーから…
難しーコト言うのヤメテって。
「ヒカルノキミ???
ゲンジ物語?だっけ?」
「えぇ。
多くの女性を愛し、多くの女性に愛されたが故に業を負い、結局自身も含めて誰一人幸せにできなかった哀れな殿方ですわ」
あれれれれぇぇぇぇぇ!?
またもブった切りってか、控えめェェに、遠回しィィに、説教食らったぁぁぁぁぁ!?
なぜだ?
なぜナニも始まらない?
花京院 要がそんなにイイのか?
いやいや。
誰だって、あんな非リアよりもイケメンキラキラ男子にクラっとくるだろ。
単純に、軽くて危険な男攻めは失敗だったか?
いやいや。
だって彼女、笑って…
笑って…?
さっきよりも明確な苦笑を唇に浮かべた紫信が、伸ばされたコージの手を巧みに避けてフイと立ち上がる。
「あなた様が光の君の如き因果に堕ちることのないよう、陰ながら祈っておりますわ」
「え…
ちょ…待っ」
「では、ごきげんよう、コージ様」