花京院家の愛玩人形
Ⅲ
翌日。
予告通り窓は叩かれた。
コンコンっ
「こんにちは」
「いらっしゃいませ、花京院様。
本当においでになったのですわね」
「…
綺麗だ…」
「なんですって?」
「あー… えー…
本、持ってきた。
テーブルに置いても?」
「えぇ、ありがとうございます。
まぁ…こんなに… 重かったでしょう?」
「うん、まぁ。
昨日より梯子が不安定になって、怖かった」
「…
ふふ」
「笑わないで。
さて、と。
小説は後でゆっくり読んでくれていいから、とりあえず今は、コレ」
「あら…
写真集ですの?」
「そう、日本の名所の。
少しは外に出た気分になれるでショ?」
「まぁ!嬉しい!
ありがとうございます、花京院様!」
「…
綺麗だ…」
「なんですって?」