杜と君と
どれくらい歩いた?
どれくらい時間が経った?
きっと家ではおじいちゃんが大騒ぎしてるんだろう。
「 もしかして・・・」
ここで待てば助けがくるんじゃ?
一瞬、淡い期待が頭に浮かぶ
いや、こんな山奥にいて見つかるわけがないか。
「もう、ダメだ・・・」
なんで大人しく家にいなかったんだろう・・・
辺りが薄暗くなり、自分の死を覚悟しはじめたそのとき、
ガサガサガサ!
「 え?」
頭上の木から葉の音が鳴り、
「 なに・・・?」
次の瞬間、
驚く間もなく、
銀色の長い髪を持った背の高い男が目の前に現れた。