きみに、好きと言える日まで。
間もなくして。
もやの掛かった白い世界に、ブルーのジャージが飛び込む。
「耀くんっ!」
「まひ!大丈夫か!?」
心配そうな瞳で、泥だらけになったあたしの体をいとわず抱きあげる。
「……っ…」
その腕にしがみつく。
涙が溢れて来た。
結局、迷惑掛けちゃってるよ……。
申し訳ない気持ちでいっぱいで、胸が苦しい。
「怪我は?痛いところは?」
「…………」
自分が情けなくて、耀くんに顔を向けられない。
「ちゃんと言って」
それでも耀くんは、強引にあたしの瞳の中へ入ってきた。
「怪我は……ない……。でも、足が……」
もう、立つことさえままならない状態だった。
「……っ!」
あたしの足元をまくった耀くんは、腫れあがった患部を見て絶句した。
「……とにかく上まであがろう。痛いだろうけど頑張れ」
「……うん……」
痛くても、ここは自力で上がらないことにはどうしようもない。
耀くんは、ゆっくりゆっくりあたしを支えながら上へ押し上げた。