きみに、好きと言える日まで。
痛みに耐えながら、這うようにして山道までなんとか戻った。
「助けを呼ぼう」
耀くんはそう言って携帯を取り出すと、
「ちくしょうっ!」
その直後、声を荒げた。
「どう……したの?」
「圏外だ。こんな山ん中だもんな」
耀くんは顔を歪める。
やっぱり、大人しく登山なんて休むべきだった。
耀くんと同じ班だから……
なんて浮かれて
無理して
その結果がこれ。
昨日に戻って、明日は休めって自分に言いたいよ……。
グループの人たちの姿は、当然だけど見えない。
みんな走りだしたところだったから、あたしが落ちたことには気づかないで先に進んだんだと思う。
……ということは。
「耀くん………行って?」