きみに、好きと言える日まで。
「……。分かった」
そう言うと、あたしの肩を支えながら、
「少しだけ頑張れるか?多分今このあたりだ。少し下ると小屋があるはずだから」
班長にだけ渡されていた山の地図を広げて、今いる場所のおおよその見当をつけた。
「うん」
「じゃあ掴まって」
「ありがとう」
「ゆっくりでいい……」
ぬかるんだ地面に足が取られそうになる寸前、耀くんの手に力が加わる。
抱えられる様にしてゆっくり足を運んだ。
「山の天気って、本当にわかんねぇな……」
耀くんが空に放つ。
憎たらしそうに見上げて。
空からは今も大粒の、雨。