きみに、好きと言える日まで。
「ふっ……ひでー、まひ……」
毛布に顔をつけたまま、耀くんが笑う。
乱れた呼吸に、ギュッと胸が締め付けられた。
耀くんの息づかい。
濡れた髪、頬……
全てが愛おしいと思った。
耀くんが、ゆっくり顔をあげる。
「まひの為なら、なんだって出来るよ」
またこうして。
耀くんは、あたしの心をさらっていく。
「……ありが……とう」
この人を好きになって良かった。
本気で思った……。
それから耀くんは
ずっとあたしの横で、しっかり肩を抱いてくれていた。
耀くんが隣に居るから、もう寒くなんてない。
ろうそくは半分くらい溶けた。
風も止んで辺りは穏やかになってきた。
そんな中。
突然耀くんが語り出す。
「むかーしむかし、あるところにヨタロウという一人の若者がおりました」
「プッ……昔話?」