きみに、好きと言える日まで。



「じゃあ、毎日お見舞いとか行っちゃってるわけ!?」

「…………」

「あ?どうなのよそこんとこ。詳しく聞かせてくれよ」



前の椅子に跨って興味深々に聞く拓弥の目は、見たことないくらいに輝いていた。


……ほんとに女子だ。コイツ。



「もうつき合ってんだろ?」



その質問に、唇をこれでもかってくらい尖らせて考える。



……が。

考えるまでもない。



「付き合ってない」

「は……?」



そもそも強引に奪った唇だし。


拓弥は、マヌケな顔をしたまま固まった。




経緯を話すと『それでもよくやったよ』って、拓弥は俺を褒めた。


褒められるようなことをしたとはこれっぽちも思っていないから、複雑な気分だった。

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