きみに、好きと言える日まで。
次の地区予選の成績で、インハイに行けるかどうかが決まる。
拓弥も、短距離で地区予選への切符を手に入れていた。
「次は楽に勝たしてもらえそうもね~しな~。調整にも気合が入るぜ!」
そう言う拓弥の気持ちは、明後日の方向。
去年は出場を逃したが、今年こそはと、1年間一生懸命取り組んできた。
強豪校の英才教育になんか負けない、雑草魂を見せてやるって意気込んでいる。
順当にいけば、拓弥は大丈夫だろう。
「……そうだな」
それに返事する俺は、昨日の方向……。
大会と聞く途端、冷める自分。
インハイ出場を掛けた地区予選。
それに俺が出る意味はあるのか。
俺が今跳んでいる理由は何なのか。
模索し続けていた。