きみに、好きと言える日まで。
八神家
耀くんに会ったらなんて言おう。
目、合わせられるかな。
気まずくなったらどうしよう。
休んでいる間、そればっかり考えていた。
山で別れて以来、電話もメールもしてないし。
ドキドキしながら登校したあたしを待っていたのは、意外にもあっさりした耀くんだった。
「まひ、足の具合どうか?」
「うん……もうほとんどよくなった……」
「良かった~。風邪もひかなかったか?」
「大丈夫。……心配かけてごめんね。ありがとう」
好き……とか。
そういう空気なんて全然なくて。
あのときの気持ちは時効に。
あのときのアレは幻に……。
……そんな気さえした。