きみに、好きと言える日まで。
心の声
『駅まで送る』
『帰り方は分かるから大丈夫!帰って来たばっかりなんだから、いいって!』
『俺が送りたいんだ』
言いきった耀くんの言葉に甘えてしまい、今あたしは駅までの道のりを耀くんと一緒に歩いている。
あたしの歩幅に合わせてくれる耀くん。
ふたつ並んだ影を見て、なんだかくすぐったい気持になった。
駅まではおよそ15分。
あたしにとっては、大事な大事な時間……。
「サンキューな、まひ。幼稚園の先生代わりみたいなことさせちまって。嫌じゃなかったか?」
「ううん。あたしの方が楽しんじゃった。誘ってくれてありがとう」
「俺がいなかったのに悪かったな」
「ううん。耀くんいなくても全然大丈夫だったよ」
「……あっそ。それはそれで微妙だけど……」
「ん?なにか言った?」
「いや、別に」
「ふふっ。はじめまして、優飛ちゃんのお友達の羽鳥まひろです」
ちょっとふて腐れた耀くんを笑い、おどけて自己紹介した。