きみに、好きと言える日まで。
千夏先輩
告白したみたいに緊張した。
告白なんてしたことないけど、きっとこんな感じなんだと思った。
それに……言っちゃった。
あのとき見てたのが、あたしだって。
やっぱり耀くんは気づいてなかったんだ。
あの暗闇じゃ、お互い分からなかったよね。
耀くんの言葉にもドキドキした。
真剣な目で見つめられて、もう心臓破裂しそうだったよ……。
お守りを渡そうと思ったのは、耀くんが大会に出るって決めた後。
小さな神社でご利益のほどは分からないけど、お守りをもらってきたんだ。
耀くんは、こんなお守りに左右なんてされないだろうけど。
耀くんの想いを聞いたら、あたしに出来ることはこれくらいしかないって思った。
───ただ、見守る。
それでも
何か形に出来たらいいと思って。
耀くんの気持ちは、あたしの心配する間でもないくらい大会へ向かってた。
もう大丈夫だね。
ああっ。
恥ずかしくって、今日はもう陸上部の方を見れなそうだよ……。