きみに、好きと言える日まで。
……ねっ……って。
ゴクリと唾をのむ。
……やっぱり千夏先輩って、ゴーイングマイウェイだ。
「あたしごときが、そんな出過ぎた真似していいんでしょうか……」
……っていうか。
あたしはピンチに陥っていた。
手作り弁当……なんて、絶対的不得意分野なのだ。
「まひろちゃんだからいいんじゃない」
「あたし……?」
「そう!耀太はまひろちゃんのこと、好きに決まってんだから」
「あはははは……」
それはどうでしょう。
相変わらずゴーイングマイウェイな千夏先輩には、苦笑いしか返せない。
けど、千夏先輩にそう言われると、消えかかっていた期待が蘇って来る。
夢だと思いこむようになっていたキスの感触も。
間接的な、告白も。
思い込みって、大事かもしれない。
部員を良く把握している千夏先輩が、「耀太はコレが好きだ」とかの情報をあたしに植え付ける。
それはもう作って来いって、言われてるようなもの。
それを、一生懸命生徒手帳にメモっているあたし……。
お弁当か……。
あたしに作れるかなぁ。
そんなことを思いながらも、帰り道、あたしの足は自然とスーパーへ向かっていた。