きみに、好きと言える日まで。

「拓弥の走りやアンタの跳躍に惚れたのよ」なんて千夏先輩は言ってるけど、どーだか。



確かにハイジャンもそう。

経験がないのに、高校から始めたいと入部してきたやつもいた。


今年、拓弥はインハイ確実だろうし、来年なんてもっとすごいことになるんだろうな。



「別に知ったこっちゃねーよ。学校の為に跳んでるわけじゃないし」



フッ……俺は鼻で笑った。
  
 

「あら、じゃあ誰の為に跳んでるの?」

「ばっ、馬鹿。自分の為に決まってんだろうが!」

「なんで馬鹿なのよ。なんにも言ってないじゃない」

「…………」



今気付いたばかりの気持ち。


勝手に見透かされたと勘違いして、墓穴を掘ってしまった。



「とにかく明日、頑張んなさいよ?」





「……へーい……」



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