きみに、好きと言える日まで。

日が落ちて、白いバーがようやく視界から消えたころ。

俺は部室へ戻った。


ポケットの中へ手を忍ばせる。


そこにはまひから貰ったスカイブルーのお守り。


俺が明日、目に焼き付けるような鮮やかな青。



絶対まひのために。


結果なんかどうでもいい。


今までで、一番綺麗な形で。


空に舞う俺を見せてあげたい。



まひを笑顔いっぱいにしたら、

俺はまひに想いを……



――バンッ。



その時、部室に入ってくる人の気配を感じて、俺は思わず投げるようにしてお守りをロッカーへしまった。



「おっつー!」



そう言いながら入って来たのは拓弥。



「まっ、まだいたのかよ」



俺が最後かと思っていたから焦った。


見ると、拓弥のスポーツバッグはまだ残っていた。



「あ?」



一点を見つめている拓弥。


視線の先は、俺が触れたままのロッカー。

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