きみに、好きと言える日まで。
「あっ、別になんでもねーよっ!」
その手を隠すように体の後ろへ回し、組んだ。
「は?なんか隠した?」
聞かれてもいないくせに、またしても墓穴を掘る俺はなんなのだろう……。
「なんもねーって!」
その手を上げて『ほら!』と強調する。
「ま、別にいーけど?」
珍しくそれ以上突っ込んで来ることもなく、拓弥は着替え始める。
「明日……」
ジワリと広がった手汗をズボンで拭っていると、拓弥が突然真面目声になった。
「ぜってーインハイの切符を勝ちとる」
口にすれば叶う。
そういうかのように、意気込みを前面に押し出した。
その顔には並々ならぬ闘志が漲っている。
「ああ。俺も」
負けずに俺も力強く口にすると。
「あれ?耀太もやる気になったのか?」
「バーカ。俺はいつだってマジだ」
「……!?」