きみに、好きと言える日まで。
いきなりやる気になった俺が相当不思議らしい。
思いっきり目を丸くしていた。
「ぷっ」
「ハハッ!」
2人で笑いあって、部室のベンチに並んで座る。
試合前のいい緊張感。
久々にこんな気持ちを味わった。
「やるからには、最高の跳躍を拓弥にも見せてやるぜ。期待してろよ」
「期待していいのか?」
「ああ」
「それでこそ耀太だ」
拓弥の顔が輝いた。
「拓弥には感謝してるぜ」
「柄にもねーことを」
「いや、マジで……」
拓弥がこの学校にいなかったら、俺は陸上を続けていない。
拓弥の言葉がなかったら、ハイジャンを再開することはなかった。
二度と跳んでいなかった。
まひも……俺を探し当てることは出来なかった。
「行けたらいいな。一緒に、インハイ……」
まひに最高の跳躍をみせて、それが結果となるなら。
インハイへ行きたい。
強く願った。
明日の自分を想像して
ゆっくりと、目を閉じた……。