きみに、好きと言える日まで。
*第4章*
地区大会
翌日の早朝。
いつもの休みなら、まだ静かな羽鳥家のキッチン。
それが、今朝は慌ただしくフル稼働。
ナポリタンに鳥のから揚げにウインナーに卵焼き。
幼児の味覚ってこんな感じかな……。
千夏先輩に言われて。
あたしは今、ダメもとでお弁当作りに挑戦していたりする。
失敗しちゃったら持って行かなければいいんだし。
「ふわぁ~。あーんた何やってんの?こんなに朝早くから」
「お姉ちゃんっ!」
突然お姉ちゃんがリビングに降りて来て、あたしは慌てふためいた。
「まひろがこんなに早起きなんて、雪でも降るんじゃないの?ふわぁ~」
大あくびをかきながらカーテンを開ける。
雪どころか雨だって降りそうもない、真っ青な空。
降り注ぐ太陽に目を細めた。
耀くんが空を舞う姿が瞼の裏に映る。