きみに、好きと言える日まで。
「あたし電話してみます!」
慌てて携帯を取り出して耀くんの番号を押す。
「それがさっきから何度も掛けてるんだけど、繋がらないの」
"お客様のおかけになった番号は……"
千夏先輩の言う通り、あたしの耳には電源が入っていないというメッセージが流れた。
……どうしたの。
耀くん――
「まひろちゃんは……何も聞いてないのよね……」
「はい……」
「取り敢えず……顧問に報告してくるわ」
「あたしも行きますっ!」
恐らく部外者は立ち入り禁止のフィールド。
あたしは構わず千夏先輩の後を追った。
そこには、本番を前にアップに余念がない選手が沢山いた。
千夏先輩が顧問の澤井先生に何かを告げると、澤井先生は難しい顔をして腕組みをする。
遠くには、本番さながらハイジャンを跳ぶ選手も……。
その中に、耀くんがいない。