きみに、好きと言える日まで。
そんなことない。
思い直してあたしは1人、頭を強く振った。
"跳ぶよ"
あたしが昨日最後に見たのは、凛々しい目だった。
"見ててくれ"
そう言った耀くんの瞳、本気だった。
あたしの渡したお守りを握りしめて、約束してくれたもん。
あたしは耀くんを信じたい
だから、絶対に来る───
「なんだって!?」
そのとき。
ひと際大きい声が、あたり一帯に響いた。
携帯を耳にあて顔を強張らせていたのは、応援要員で駆けつけていたと思われる体育教諭の本多先生。
ざわついた会場内で、誰もそんな光景には気づいていない。
それでも、あたしはピリピリと張りつめたものを感じ取った。
電話を終えると、本多先生は澤井先生に何か耳打ちをする。
澤井先生の顔は一辺に曇った。