きみに、好きと言える日まで。
大事に抱えて来たお弁当は、もうぐちゃぐちゃかもしれない。
それでもあたしは走った。
「千夏先輩っ!」
車に乗り込もうとした千夏先輩の腕を掴む。
「まひろちゃん……」
振り返った千夏先輩の顔は、今にも泣きだしそうだった。
その顔を見て更に確信する。
それでも。
「耀くんに……なにかあったんでしょ…?あたしも……一緒に連れてって下さい……」
耀くんに何かあったなら。
こんな所でじっとなんかしていられない。
無言のまま見つめ合ったあたし達。
「さっきから羽鳥はなんだ」
本多先生の声に苛立ちが込められる。
……あたしは……
「耀太の彼女です」
……え?
そう言ったのは千夏先輩。
目を丸くして千夏先輩を見る。