きみに、好きと言える日まで。

「………そう……なのか?」



本多先生の問いに。


コクン。


そんなの嘘だけど。


千夏先輩の言葉は、この事態が耀くんに関係していることを決定づけた。

だからあたしは迷うことなく首を縦に下ろしたのだ。



「まひろちゃん……」

「……先輩……」

「あのね……。
耀太が事故に遭ったらしいの……」

「……っ」



一瞬にして目の前が真っ暗になる。

血の気が引k、全身が冷たくなっていく。


倒れそうになったあたしを、千夏先輩が支えた。



「しっかりしてまひろちゃん!」

「…………」



いつもみたいに明るく笑って欲しかった。

嘘だよって言って欲しかった。



けど。

千夏先輩の口元が弧を描くことはなかった。



「あたし達は、これから耀太のいる病院へ行く」



マネージャーとしての毅然とした態度。
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