きみに、好きと言える日まで。
目覚め
【耀太】
ピッ…ピッ…ピッ…
鼻を突く嗅ぎなれた匂いと、聞きなれた機械音。
父さんの最期がフラッシュバック。
父さん───
父さん───
耀太……
耀太……
誰かが俺を呼んでる。
父さんか……?
うっすら射し込んで来た一筋の光。
その光を求めるように、手を伸ばし大声を上げようとした。
「───ッ……」
「気がついたか!?」
───親父?
白衣が目に映る。
それに母さんと優飛の姿も。
「…………」
口を開こうとするけれど、うまく喋れない。
「耀太。無理して喋らなくていい。おまえは事故に遭ったんだ」
……事故?
把握できない頭でぼんやり考えようとすると
次の瞬間、母さんが俺のベッドへなだれ込むようにして泣き崩れた。