きみに、好きと言える日まで。


「……っ!?親父!今日何日!?」

「今日は7月16日だ」



16日……!?


大会……っ。

そうだ大会だ。


確か大会は13日だったはず。


こうなる直前の記憶。



「俺……ハイジャン………っ……」



起こそうとした体は言うことを聞かなかった。

激痛だけが全身を襲う。



「そんなのどうだっていいじゃないの……っ!!」



母さんが珍しく大きな声で怒鳴った。



「耀太が無事なら、それだけで……っ」



その目からは大粒の涙が零れ落ちた。


いつも優しい母さんの、強い口調と潤んだ瞳。



ハッとした。


最愛の父さんを事故で亡くした母さん。

そのあと、俺も交通事故に遭い、どれだけ母さんを心配させたか。


事故に遭うなんて、最大の親不孝なのに……。

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