きみに、好きと言える日まで。


「また泣く」

「ううっ……」

「涙禁止!」



涙を止められないでいると、また耀くんに叱られた。



「せっかく来てくれたんだろ?笑えって」



笑い方を教えるように、耀くんは笑って見せた。


あたしの大好きな

お日様にも負けないような笑顔。



「……うん」



唇に歯を押し付けながら、無理に笑顔を作る。



「それでこそまひだ」



元気づけなきゃいけないのはあたしなのに、あたしが励まされてる。



ダメだね。

これじゃ。




新たな一歩をまた踏み出そうとした時に襲った事故。

中学の時みたいに、大会直前でそれが流れた。


2回もこんな経験して

相当落ち込んでいることを覚悟で行ったけど、

耀くんはいつもの耀くんで、怪我してるなんて思えないほどよく話してよく笑った。

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