きみに、好きと言える日まで。

退屈な入院生活



【耀太】




夏休みに入った。


入院生活も、もうすぐ2週間を迎えようとしていた。



テレビのニュースは、連日最高気温の記録更新を伝える。


予想通りの猛暑。


熱中症や熱射病の心配はないが、

クーラーの効いた部屋の中に閉じ込められっぱなしで、ある意味病気になりそうだ。


そろそろ熱く焼けたグラウンドが恋しい。


このままだと、筋力も衰えちまう。


背筋、腹筋、ランニング。

体作りの為に日課となっているそれら。

何年も続けていると、やらないと気持ちが悪いな。




「具合どうだ?」



唯一無傷で自由の利く左手で握力強化マシンを握りしめていると、病室に親父が入ってきた。

白衣に身を包んだ親父はちょっとカッコイイ。

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