きみに、好きと言える日まで。

「今更なに?早く退院させて欲しいんですけど。夏なのに生っちろいなんて恥ずかしくてたまんねーよ。ほら」



親父に腕を見せる。


そこら辺の奴に比べれば黒い方かもしれないが。

俺の夏はこんなもんじゃない、真っ黒になるのが例年。


具合なんて主治医の親父が一番よく分かってるくせに、そんなこと聞くなよ。



「怪我人は怪我人らしく大人しくしとけ」

「ケッ。怪我人扱いしやがって」

「怪我人には違いないだろう」

「こんな元気な怪我人、いねーっつーの!」



なのにこんなとこにいつまでも閉じ込められてりゃ、文句の一つも言いたくなるんだよ。


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