きみに、好きと言える日まで。
あたしじゃなくて、陸上部のメンバーに頼んだ方が早いし。
お喋りに夢中な拓弥くんに声を掛けようとして。
「……っ」
耀くんに腕を掴まれた。
振り返ると、あたしをじっと見つめる耀くんの瞳とぶつかる。
………ん……?
「まひに持ってきて欲しい」
「あたし……に?」
「また来てもらうための、……口実」
耀くんが優しく笑う。
…………。
あたしも正直になってみようと思った。
自分の気持ちに。
だから……。
あたしも勇気を出して言った。
「あたしも。
……ここへまた来る理由が出来て、嬉しい……」