きみに、好きと言える日まで。

不安と予感


【耀太】




「母さん、俺マジでいつ退院出来んの?親父から聞いてない?」



事故から1ヶ月が過ぎて。


一向に退院の話が出ないことに、さすがにおかしいと思い始めた。



たまにお見舞いに来てくれるまひに会えるのは嬉しい。


屋上で他愛もない話をする。

一緒にアイスクリームを食べる。

そんな風にゆっくり流れて行く時間。


嫌じゃない。



けど……。



「もうちょっとよ」

「もうちょっとてどれくらい?」



もう聞き飽きたこのやりとり。


すぐに聞き返す。



「リハビリだって、まだまだしなきゃいけないでしょ?」

「そんなもん家からでも通えんだろ?」



いい加減早く家へ帰りたい。


体は元気なのにこんなところに閉じ込められっぱなしで、最近はイライラすることが多くなった。

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