きみに、好きと言える日まで。
「そ、そうじゃないの」
……またかよ。
取り繕う母さんを見るのはもうまっぴらだった。
イライラが募る。
「跳べないって言われて、俺がショック受けるとでも思ってんの?」
2年前の怪我。
荒れに荒れた俺を見て来た母さんの気持ちは分かる。
けど。
2回も事故して、ハイジャンでも怪我をして、
体が動かせて、普通に日常生活が送れる有り難みも分かったつもりだ。
もう、あんときの俺じゃねーし!
「そんなこと思ってないわ」
「だったらほんとのこと言えって!」
───ガシャンッ……。
もう、我慢の限界。
机の上にあったコップを手のひらではじいた。
中身は辺りに散らばり、プラスチックのコップは床の上を転がった。