きみに、好きと言える日まで。
闇の中
ぎらぎらした太陽が、グラウンドを照りつける。
今日も記録を更新しそうなほど朝から暑かった。
グラウンドには、真っ黒に日焼けした陸上部員。
インターハイ出場者を出すという快挙を成し遂げた陸上部は、更に活気が溢れている。
3泊4日の夏合宿が開けて、久々に目にしたその姿だけど
相変わらずあたしは、追いかける影がなくてつまらない。
耀くんがいないグラウンドなんて、主役のいない舞台みたいだ。
いつになれば、ここで跳ぶ耀くんをまた見れるようになるんだろう……。
早く、ハイジャンを跳ぶ耀くんに会いたいよ……。
「はいこれ!頼まれてたもの」
「ありがとうございます」
そんなグラウンドの片隅で。
千夏先輩から一冊のアルバムを受け取った。
これにはインターハイの写真が収められている。
耀くんが見たいと言ってたもの。
"また来てもらうための、……口実"
こんなのなくても、会いに行っちゃってるんだけど……。