きみに、好きと言える日まで。
……ッ。
足が止まる。
目を開けたまま、一点を見つめている耀くんがいたから。
「耀くん……?」
聞こえていないのかと思って、もう一度声をかけた。
微かに耀くんの瞳が反応したのを見て、
「あの、これ……インターハイの写真持ってきたんだけど……」
胸に抱えたアルバムを差し出すと
瞳をまた窓に戻した耀くんがポツリと言った。
「いらねえ……」
えっ……。
「いらないって……だって、これ耀くんが……」
戸惑いながらも、もう一度アルバムを差し出す。
けれど。
「いらないっつったらいらない」
「…………」